妊娠の基本@豆知識(不妊にかかわる病気)
不妊症とは?
不妊症は、ふつうの性生活を送り、特に避妊などをしていないのに2年以上妊娠しない
場合をいいます。
つまり、2年以上経っても妊娠しない場合は、不妊症が考えられますので、早いうちに
産婦人科の医師に相談しましょう。
なお、不妊症は女性の病気だと考えがちですが、男性不妊が解明されるように
なってきて、不妊の原因は男女半々ぐらいの割合であることがわかってきています。
また、複数の原因が重なり合っていることもあります。
そのため、治療をする前に、まず検査をして、原因をつきとめなければなりません。
検査は、男性の場合比較的簡単にすみますが、女性の不妊検査はチェック項目が
多いため時間がかかります。
月経周期に合わせて、さまざまな検査を行うので、一通りの検査を終えるのに数ヶ月
かかることもあります。
男性の検査では、精液検査、精巣(睾丸)の組織検査などが行われます。
精液検査は、マスターベーションによって精液を取り、精子の数、運動性、奇形の有無、
精液の量などを調べます。
その結果必用があれば、触診などによって精巣の状態を調べたり、精巣の組織検査
などが行われます。(精巣の詳しい検査は泌尿器科)
女性の検査では、基礎体温の測定、超音波検査、子宮卵管造影検査、腹腔鏡検査、
頸管粘液検査、ヒューナーテストなどが行われます。
不妊症の原因について
不妊症の治療をする前に、まず検査をして原因をつきとめなければなりません。
不妊症の原因は、男性にも女性にも、また複数の原因が重なり合っていることも
あります。なかには原因不明の場合もあります。
* 男性側の原因
・ 精液中に精子がまったくない、数が少ない、射精されても卵管までに前進する
だけの力がない(動きが悪い)、あるいは奇形精子が多い。
・ 射精される精液の量が極めて少ない、あるいは精液中の成分に異常がある。
・ 男性性器の発育不良や先天的な異常(精管通過障害など)のために性交が
できない、あるいは腟内にうまく射精できない。
・ 正常な性器にもかかわらず精神的な原因などによる勃起不全(インポテンツ)で
性交ができない。
・ 脳や脊髄の器質的疾患や外傷(手術や事故の後遺症などにより精管が塞がって
しまうなど)、糖尿病による神経障害、動脈硬化による陰茎への血流障害、
精液をつくる精嚢や前立腺の病気、アルコールなどの中毒で性交ができない。
* 女性側の原因
・ クラミジアなどの性感染症や子宮内膜症などが原因で、卵管がつまったり、
癒着したり、極端に狭くなったりするような卵管障害がある。
・ 無排卵、排卵回数が少ない、排卵後に卵巣からのホルモン分泌が十分でない
など、卵巣機能に異常がある。
・ 子宮の発育不全、癒着をともなう子宮後屈、子宮筋腫、子宮内膜の異常、
頸管粘液の異常、膣の異常(腟の欠損や奇形)など、子宮に異常がある。
* 男女間の原因
抗精子抗体などのように、夫婦の適合性が悪い。
* 原因不明
不妊検査では異常がみあたらないのに、妊娠しないという「機能性不妊症」。
免疫の働きによる場合や、心のなやみ・不安などが要因になっている場合も
考えられます。
不妊症の治療について
不妊治療は、医療技術の進歩とともに格段に向上しています。
不妊治療には、不妊の原因を取り除き、正常な状態に戻して自然妊娠を待つ方法と、
ふつうの性交では妊娠が難しい、あるいは不可能なときに行われる人工妊娠を選択
する方法とがあります。
不妊の原因が病気による場合は、まずその治療が先決となります。
人工妊娠では、次のような方法が選択できます。
・ 人工授精
人工授精は、性交の障害、精液過少症、精子減少症、頸管粘液の不適合などに
よって、ふつうの性交では妊娠が難しいか不可能な場合に行われる不妊症の
治療法で、夫の精子を細いチューブで妻の子宮に入れるというものです。
精子に異常がある場合は、状態の良いものを選別して使用します。
なお、この人工授精を行う場合は、卵巣、卵管、子宮に不妊の原因がないことを
確かめる必要があります。
・ 体外受精
体外受精は、排卵を誘発してから卵巣から卵子をとり出し、選別した精子と、
体外で受精させ、その後受精卵を子宮内に移植して着床させるという方法です。
多嚢胞性卵巣症候群とは?
多嚢胞性卵巣症候群とは、卵巣の表面が肥厚して排卵が行われなくなり、その結果、
不妊(無排卵性の不妊)をもたらすというもので、卵巣の腫大、月経異常(無月経
あるいは希発月経)、多毛(男性ホルモン過剰症)、肥満などをともないます。
多嚢胞性卵巣がみられる女性のうち、多嚢胞性卵巣症候群と診断されるのは、
下記の3つのうち、少なくとも2つがある場合とされています。
@ 稀発排卵(年に何回かしか排卵がない)あるいは無排卵。
A 検査で高アンドロゲン(男性ホルモンが多い)がみられる。
B 多嚢胞性卵巣がみられる。
多嚢胞性卵巣症候群の原因となるものは、現在のところ明らかにされていませんが、
脳の視床下部・下垂体のホルモン分泌調節機構の異常が考えられています。
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